吉本興業をめぐる「解雇」という言葉に、違和感を感じる。「反社会的」なのはどこか?

「反社会的集団」と「裏営業」(というか吉本を通さない仕事)をした、吉本興業所属の芸人をめぐっては、この間さまざまなメディアが取り上げてきました。
今日は、当事者達が謝罪記者会見をおこないましたが、どうも釈然としない。
なにが?というと、そもそも、この問題、「解雇」(「クビ」という言葉が使われているのですが、クビとは一般的に「解雇」)が不成立ではないか?と思えるからです。

確かに「反社会的集団」との関係(営業活動:芸の披露)があったのかもしれないし、それはやはり「良くない」事だとは思うのですが、それと「雇用契約」などの契約とか「解雇」の問題は別。

吉本の芸人さんの場合、個人事業主扱いなのか従業員扱いなのか?よくわからないのですが(それ自体判然としないところがある。そもそも「クビ」とはなにか?吉本は自分たちだけの「用語」を持っているようですが)「契約書」がきちんと作成されていないという問題があり(吉本側は「口頭での約束も契約」と言うようですが)、しかも、契約内容が不明なまま「解雇」(クビ)とか「謹慎」とかの言葉が一人歩きしている状態です。

吉本の何がおかしいのか?

1.個人事業主契約でも雇用契約でも、現代のまともな企業ならば(反社会的企業でないならば)、きちんとした文書での契約書が作成され、しかもそれは同じものを契約者双方が保持するというのが当たり前なのに、それがないように思えること。

2.個人事業主契約ならば、芸人側にかなりの自由があるので、それがきちんとした「契約書」に定められていない行為である限りは、芸人側に仕事を自由に選べる権利があるはすなのに、そうではない状況があること。

3.「クビ」あるいは「解雇」などという言葉が交わされるほどならば(吉本側は「記者会見を開いたら全員クビ」などと言ったそうだが)、それは雇用契約と思われるが、そもそも、文書で契約が交わされない(あるいは経営側しか保持しない契約書)というのは、限りなくブラックな企業状態であること。さらに、「解雇」は契約書や就業規則(賞罰規定:吉本は「クビ」について懲罰的な意味で語っているようだからなおさら)などで、定められ(定めるにも労基法の手続きがある)、その定められた就業規則は、被雇用者(この場合芸人さん)がいつでも自由に閲覧できる環境にないと無効であること。これらが、吉本興業所属の芸人さんに当てはまらないとしたら、その「解雇」はそもそも無効であり、または「解雇概念」は成立しないということ。

4.そして、以上の内容とも重なりますが、吉本興業などの芸能プロダクションの法的契約関係手続きの不備あるいは無視は、いわば自らを「法的」「社会的」関係の中に置かない「反社会的」行為なので、そもそも吉本などが「反社会的団体」(また巨大なパワハラ組織でもある)ということになるという大問題。(最近、ジャニーズ事務所に公取委が入ったのは。この業界の問題では象徴的)

さて、吉本は変われるのであろうか? 相撲界、芸能界、そしてその他の旧弊価値観に安住する団体・・・・。それがマスメディアのプログラムやアイテムの主力ともいえる日本の状況ですが、芸人さん達の社会的地位、能力・学力も高まってくる中、ここらで大転換が必要なのでは? と、労働問題に関する現場に身を置く者(ならんは)としては、思うのです。

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