マスコミはなぜ? ライブドア問題に傾斜したか?

「風説の流布」「株式分割」と「株式交換」。株と縁のない者にとっては馴染みのない言葉である。まあ、「風説の流布」はなんとなく意味が分かるが、一企業が行ったそれらの行為について、これほど大きく取り上げられる必要があるのか? 確かにホリエモンは芸能人並の知名度があるが、それならばそれは「芸能ネタ」ではあるまいか? 大物歌手・芸能人による犯罪と同じレベルではないか? 

「いやいや、巧妙な企業犯罪である」ということか? それにしては、被害者がいまいちはっきりしない。「株式市場全体」「投資家全体」が被害者であるという声もあるのだが、私にはいまいちピンとこない。腑に落ちないのだ。確かに「脱法錬金術」は解明されねばならないが、マスコミはなぜ? いま、ライブドア問題に傾斜したのか?

一番大きな疑問は、もっと大きな犯罪、しかも人命に関わる、そして背後に大きな「闇」を抱えているような「マンション・ホテル耐震性偽装」のひとつの核であるヒューザーの小嶋進社長に対する国会での証人喚問が、このことによって、かなりマスコミへの露出度が少なくなったということがある。マスコミ各社の取り扱いもライブドアに隠れていて、小さい。それに、「ライブドア問題」の「犯罪性」が曖昧(民事的には大きな問題があると思うが「刑事」的にはどうなのか?)なので、「耐震性偽装」の犯罪性すら曖昧化しているような感じさえ受ける。

「耐震性偽装」については、政府与党との関連も取りざたされ、自民党の時期総裁有力候補の安倍官房長官周辺にも煙が上がっているようだが・・・。ライブドアの問題によって、いわゆる世論の関心は、ずいぶんとそらされている。

次に腑に落ちないというか、「ああなるほど」と思えるのは、マスコミ各社のライブドア・堀江氏に対する強烈な「想い」である。 

フジ、TBSと、マスコミ各社はこのところ、「株主」からの攻勢にさらされ続けている。マスコミ各社(フジにしろ、アサヒにしろ体質は閉鎖的である)にとっては、ライブドアも楽天も村上ファンドも、要するに「味方」ではないのだと思われる。その「味方ではない」ライブドア・堀江氏が強制捜査にあった。容疑は、マスコミ各社が苦しんできたことと深く関連する。これは、トップニュースであると、マスコミの「経営陣」は強く感じたのではないか? また、昨年「株主」の攻勢の前に、一致団結して、日頃は考えたこともない「労働組合」まで作ろうとした某社の社員達の心理も、これに近かったのではないか???

結局、一番得をしたのはヒューザー関係者である。耐震性偽装関係者である。おそらく複数の議員先生である。与党関係者である。武部幹事長は「残念」と言ったが、それは小泉劇場の主要役者のひとりであるホリエモンを、馬謖の如くに切り捨てて、我が身を守った小泉政権の「本音」と見た。

小泉劇場は、ホリエモンへの強制捜査によって幕を閉じたのである。あるいは、劇場の次の登場人物達が、幕を下ろさせたのか? 政治の世界は奇々怪々なので、真相はいつも闇の中、「眼の壁」の向こう側にある。

この「闇」や「壁」を暴くのがマスコミの使命というか、報道関係者・ジャーナリストの醍醐味だと思うのだが、しかし、今回のライブドア問題では、マスコミは「当事者」になってしまっているようだ。当事者は利害関係者だから公平な報道は期待できない。

ライブドアに関する「風説」を流布しているのが、マスコミであるというような現象だけは避けていただきたい。

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