最近、ハローワーク窓口の対応の劣化が気になります。事例が多いのでその一部を取り上げます。

労働者が解雇や退職勧奨にあって離職する、あるいは自己都合で退職したあと、まず訪れるのがハローワーク(職安)です。労働者は個々の窓口に行って、いわゆる失業保険の給付手続きをします。が、このハローワークの窓口、けっこう居丈高だったり、基礎的知識がなく対応するなど問題が多くあります。

このブログに二日続けて記事アップするのは「異例」ですが(月に1回程度のアップがオリジナルペース)、何故かハローワークに関しての「これは?」と思う事例が今日2件発生した(労働相談などで知った)ため、記事をアップすることにしました。

事例は2件とも会社はかなりブラックです。その会社で労働者本人が「辞める意思がない」にもかかわらず、会社が行ったデタラメな手続きをハローワークが窓口で肯定して、労働者の不利益になっているケースです。

1件目は、東京のとあるハローワークの例。これは、労働者が過重労働(1年以上月100~200時間を超える時間外労働、かつ時間外賃金なし!で病気になり労災が認められています)で体調を崩し、いわゆる60歳定年を迎えたところ、会社が驚くほどの低賃金かつ短時間での雇用継続条件を示し、それに労働者がその条件に応じない(病気からの復職後は働く意思を示している)ため、「離職」となったケースです。

この「離職」の手続きにおいて会社は「労働者の自己都合」としたために問題が生じました。なお、異常な長時間労働を強いた時の会社経営陣は経営悪化の責任を取らされ現在在籍せず、この会社は親会社が直接運営に乗り出しています。また、この会社の本体は東京からかなりの遠隔地にあり、過重労働のなかで労災になった労働者はその東京事務所で働いていました。

このケースでのハローワークの対応は、どう見ても事業主都合の離職であるのに、担当職員の知識が乏しく、またブラック企業的な事業主の無責任を想定できないということにあります。ハローワークはとにかく「自己都合」にしようとするとのことです。このケースは既に事業主に対しての訴訟の手続きに入っていますが、ハローワークはその事実を知りながらも、なんとか「係争」事案にしないように労働者を誘導しているのです。これでは、ブラック企業は大喜びです。

じつは、同様なケースがここ5年来多く生じています。これはなぜか?窓口担当職員の非正規職員化と、少し前までの求人難情勢での「窓口」担当者が適当に(あるいは居丈高に)対応しても労働者が我慢してきた、という背景があるかもしれません。

(ついてにいうと私=ならんはも4年ほど前に「失業手当」を受給する機会がありました。その時のハローワークでの休職説明会やら、様々な説明には明らかに法の独自解釈、明らかに事実の誇張や誤認がたくさんありました。ただ、そのときは、多くは非正規職員である彼らの立場もあるので、敢えて指摘はしませんでした)

2件目は、1件目と同様のケースで、より問題が深刻なケース(悪質といっても良い)です。

これも東京のハローワークで発生しています。労働組合事案でもあるので、多少具体的に書きます。対象となっている労働者は外国籍の難民労働者(個人加盟合同労組の労働組合員)です。

事業主(会社)が、この外国籍労働者を雇った後、派遣先においてハラスメントを行い、このため労働者は精神的にきつくなり会社を休職しました。この労働者は労働組合員として現在会社と争っているのですが、休職期間の後、生活のためにハローワークで、失業保険の給付手続きを行うことにしました。当然、本人の意思で会社を辞めるわけではなく、会社が離職票を送ってきたから手続きを行ったのです(期間内に手続きを行わなわなければなりません)。しかし、会社の送ってきた離職票には「事業主都合」とはされていません。そもそも、この会社は雇用保険の手続きや、傷病手当の手続きでも全く不誠実でした。

この離職票を、当該労働者がハローワークの窓口に持って行き手続きを行おうとしたとこと、なんと窓口で対応した職員が、勝手に「自己都合」と離職票に書き入れてしまったのです。幸い、この労働者は日本語(漢字)が十分読めるので(日本語能力検定1級)、これはおかしいと思い、後日労働組合としてハローワークの担当者にその問題を問うことになりました。

このケースは2つの大きな問題があります。一つは職員が外国籍労働者の説明を退けて、事実と異なる離職理由を書いたこと。

また、このことを追及した労働組合に対して、担当者は勝手に書き込んだことを「書き方の見本とした記入した」旨の発言をしたことです。

1番目の書き込みでも大問題なのに、勝手に離職票の原本を汚して開き直る姿勢にはあきれるばかりです。また、今回の問題は、同様な状態でハローワークを訪れた事業主都合離職である筈の外国籍労働者にたいしても同様の行為がなされている可能性も示しています。このため労働者が加入している合同労組では、現在このハローワークの公式な見解を求めています。

数年前の世相とは打って変わって、人手不足・求人難が深刻に進行する中、ハローワークの窓口担当職員もなかなか確保が出来ないのかもしれません。また過重労働が発生しているかもしれません。それが業務の質の劣化を生んでいるとも思えますが、しかしハローワークは職を失ったり、職を求める労働者の生活の確保、命の綱ともいえる公的な組織です。確かに職安時代から様々な問題が起きています(それは主に厚労省=労働省の天下り問題や、関係諸団体との不透明な関係という、闇の部分もありました)、しかし、いま、労働者不足、外国籍労働者の大量採用という時代になって、ハローワークの職員の質の向上が求められます。まずは、非常勤職員の十分な法的知識(人権意識も)の向上、そして労働環境と労働条件の向上が必要だと思います。

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