東電の責任追及を渋るマスコミ、くり返される一億総懺悔と責任者の無責任

東日本大震災の被災地では、余震が続く中で、いまも懸命な救援・救出作業が続いています。

一方、福島原発では、先行きの見えない「復旧」(廃炉作業というべきだが)」作業が続いていますが、実態がどうなっているかは以前、不透明です。

今回の原発事故は、明らかに公害(しかもかつて無く深刻な)であり、公害企業である東電と、その企業と一体となって原発推進をすすめてきた歴代自民党政権、政権を取る前に一転して原発を容認した民主党の責任が厳しく問われなければなりません。また、かつての公害と違って、原発推進にはマスコミが大きく関わっています。現在もマスコミは原発安全神話を振りまいてきた御用学者を登場させたりしていますが、このことも今後の原発事故問題を語るときには忘れてはならないことです。
日本は、これまで幾つもの人為的(政策的)大惨事を経験してきました。第二次世界大戦へ至る道と敗戦(広島・長崎への米軍による原爆投下、日本の軍・民間戦没者は300万人以上)、水俣病・イタイイタイ病・空気汚染などの公害、バブル経済崩壊、そして今回の大地震による原発事故。
しかし、その責任について日本人が明確にして、あるいは責任者について責任をとらせた例があるでしょうか? 第二次世界大戦においては「東京裁判」がなされましたが、それは戦勝国による戦後政策であり、日本と日本人は「終戦」以降は、新たな「民主主義」のもとで復興にひた走りました。公害についても、それを生み出した政策がどれだけ問われたか? 多くの被害者を生み出した企業は最後の最後まで自らの責任回避を続けてきました。
バブル経済に至っては、責任追及はおろか、バブル経済を引き起こしてきた銀行に多くの税金が投入され、そしてその銀行は、バブル経済のほとぼりが冷めると、国民の税金で命をつないでいたのにもかかわらず、「貸しはがし」を平然と行い始めました。
今回の福島原発事故では、しきりに「いまは東電の責任を問うべきではない」との発言が多くのマスコミで語られ、一方では「東電社員の不休不眠の復旧作業」が美談として語られています(最も危険な作業を低賃金で強いられている協力会社の下請け作業員の実態はよくわからない)。そして、原発推進をしてきた自民党は臆面もなく原発事故の政府責任を追及し始め、民主党の原発推進論者である小沢一郎は現政権に批判の矢を放つ! あきれ果てたものです。
東電はその責任を厳しく追及されるべきです。そのことが、今後同じような惨事を引き起こさないための第一歩になります。

今朝の東京新聞には驚くべきことが報じられています。
元福島県知事である佐藤栄佐久氏と東電・経済産業省のやりとりです。

佐藤元知事は2002年に各地で相次ぐ原発事故・不祥事によって原発の安全性に疑問を持ち、福島原発3号機でのMOX使用を拒否したそうです(このときの判断が全く正しかったことは、いま証明されています)。しかし、これに対して東電と経済産業省は、福島県で建設予定の火力発電所の建設計画を見直し(要するに作らないということ)するといい、加えて、福島原発の使用済み核燃料(これがどれほど危険なものか、今回の事故は明らかにした)を施設に置き続けるとしたそうです。これ以上の恫喝はありません。結果、福島県はプルトニウムを原発で使うことを受け入れざるを得ませんでした。
さらに、国の原子力保安院(原発事故後マスコミでわけのわからない、責任回避発言を続けているあの人達です)は、福島原発でのデータ改ざん問題について内部告発を受けたものの、なんとこの内部告発者の氏名と告発内容を、当の東電に伝えたそうです。これでは内部告発者は封じ込まれてしまいます。
佐藤元福島県知事は、これらの問題の後、ダム建設をめぐる汚職に関連して職を追われることになりましたが、この経過を見る限り、このダム汚職問題にも何かあると思わざるを得ません。
東電と政府の事故責任は明らかにされなければなりません。

石原東京都知事は、今回の原発事故に便乗してとんでもないことを言い出しています。
曰く「お花見なんていうものは自粛すべきだ」(これはいわれなくても皆そのように思っています)。そして・・・。

「自分をこらえて、同胞の傷みを分かち合うことで連帯感ができる。戦争のころはみんなこらえてやったんだ。そうじゃなかったら、あんなエネルギーは出てこない」

津波の被災者に対して「天罰」と放言した石原都知事ですが、そのときは、知事の言葉足らずで、実は日本が「我執」にとらわれていることへの天罰などといいわけで切り抜けましたが、今回の発言で石原氏の真意は明らかになりました。
「強い国日本」とは、石原氏においては、あの戦争を堪え忍んで行った日本のことのようです。

為政者・大企業の責任はきちんと追及し、その「責任をとらせる」ということをおざなりにしていると、このような人物が跋扈し始めます。
巨額の都税を投入して怪しげな銀行を作り、都民の財産を浪費した石原都知事の責任がどれほど問われたでしょうか?あのお金があれば、東京都は、被災地支援にどれほどやくだてることができたでしょうか? 

権力を持つもの、巨大組織の責任があいまいにされる日本。だからこそ、いまマスコミは(たとえ大スポンサーが電力会社でも)、いま東電の責任を正面から問わなければ行けません。

責任の拡散=「一億総懺悔」で、問題をあいまいにしてはなりません。

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この記事へのコメント

原発マグロ
2011年04月10日 20:32
退却→転進、事故→事象 都合の悪いことは極力隠す軍部と東電。大本営発表を垂れ流すマスコミ、事態を把握できず、流される政府、責任逃れをする官僚、儲ける為政府と癒着する財界、責任の追求も関心を持たない国民。戦争中となんら変わらない日本人の姿が今ここにあるように思えます。

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