サマータイム制よりも、年次有給休暇の時間単位取得の法制化を

東北・関東大地震による福島原発の事故は、深刻な放射能汚染を伴って、今なお先行きがわからない状況です。
この原発事故の影響で、東北・関東では電力不足が生じ、これに対処するために「計画停電」(首都圏)が行われています。
また、この夏にはさらに電力事情が逼迫するとの予測から、政府では「サマータイム制」の実施や、職場における「フレックスタイム制」の導入が検討されていると報道されています。
しかし、日本の地理的位置と国民性からいって、これらのことがどれほど効果を生むかはわかりません。
まず、サマータイム制は問題外です。
そもそも、低緯度で高温多湿な夏が訪れる日本で、出勤時間をたとえ1時間ずらしたところで、何の影響もないのではないか? という当然の疑問もあります。それにインフラや情報処理システムのプログラム変更も必要であり、実際には今回の地震対応としての導入は無理なのです。逆に無理矢理の導入は大きな混乱と思わぬ事故を生みます。
では、フレックスタイム制については、これは意味がありません(労働者個々人がコアタイム以外は適時に出退勤するフレックスタイムは、時差出勤の効果はありますが、それ以上ではありません。それに実施には労働条件の大きな変更を含むので、これを経営者が一方的に行うのは大問題です。また中小零細企業ではフレックスタイムの名の下に、長時間・過重労働が正当化されている現実もあります。大企業では御用組合的な企業内組合と経営者が合意して行うことは可能かもしれませんが、それが果たして節電効果があるのか? 疑問は残ります。
日本の気候風土と労使関係では、時間をずらしただけでは省エネ・節電は難しいと思えます。
では、なにが効果的か?
それは有給休暇を消化しやすくすることです。
日本の年次有給休暇取得率はきわめて低く(実際は30人以上の会社で40%あるかどうかで、75%程度取得しているのは皮肉にも電気・ガス・水道)、特に中小零細企業ではいまだに、「我が社には有給休暇はない」などと平然と語る経営者も珍しくありません。
「年次有給休暇は退職時に消化する(あるいは買い取ってもらう)」などと思っている人もいるほどです。
しかも、年次有給休暇の取得は1日単位という企業(せいぜい半日有給が認められている)が多くあります。
年次有給休暇の時間単位取得ができるよう法的に「有給休暇は時間単位で」と定める必要があります。
さらに、実際は傷病による休みを「年次有給休暇」とする場合が多い現状を考慮し、病気休職制度についても法的な改善が必要であり、併せて仕事のストレスによる病気休職については労災が適応されやすいような労働行政が求められています。
一方で、時間短縮などといいながら、労基署が年間500~600時間もの「例外的!」時間外労働を労働基準監督署が認めているような状況がまず、改められなければなりません。
東日本大震災では、多くの人命が奪われ、深刻な原発事故が生じました。私たちはこの震災を機に、日本における働き方、労働環境のあり方も考え直し、どこか「過剰なエネルギー消費」のためだけに突き進んできた、日本のあり方を変えてゆくべきではないでしょうか?

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