5月10日に予定の、ビルマ「新憲法」草案承認投票は、民主勢力排除と軍事独裁正当化をめざすもの。

新聞報道によると、ビルマの軍事独裁者たちは、民主化勢力を排除する内容の「新憲法」草案の是非を問う国民投票を、5月10日に行うといいます。

民主勢力の中心であり、最大野党である国民民主連盟は、この「承認投票」で反対票を投じるように呼びかけています。

「ミャンマー(ビルマ)の軍事政権は9日夜、国営放送を通じて、新憲法案の是非を問う国民投票を5月10日に実施すると発表した。新憲法案は、国家元首として新設する大統領の資格に「軍事知識」を挙げているほか、国会議員の25%を軍人に割り当てており、2010年に予定する総選挙後も、軍の権力を保障する内容になっている。新憲法案は、有権者の過半数の賛成で承認される。軍政は新憲法に基づく総選挙に民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの立候補を認めない方針で、欧米諸国からは軍政支配を正当化するためのプロセスとの批判が高まっている」(朝日新聞)

今回、軍事独裁者が提示している「新憲法」の草案は、軍事独裁者達のためのものです。
以下に問題点を挙げます。

1、国家元首(大統領)には軍関係者が就くしくみ

草案では、大統領は「軍についての見識があること」とされ「本人、両親、子供、子供の配偶者が外国人の影響下になく、恩恵を被っていないこと」とされています。これはアウンサンスーチーさんを排除する(夫はイギリス人)ほか、民主化運動で国際的支援を受けたことも問題にされるということです。
加えて、大統領候補は軍人グループから1名必ず挙げられる仕組みになっていて、最低でも軍人が1名副大統領に就く規定になっています。

2、議会は軍人があらかじめ25%枠を持つ

二院制の議会は、その25%がはじめから軍関係者枠として決められています。これは議会の75%賛成で憲法改正を行えるという、別の条項とも関係しています。

3、軍は別

軍に関しては「国軍は、軍に関するあらゆる事項につき、独立して管理」となっていて、軍は憲法にも縛られないことになります。軍は特別とされる憲法草案です。

4、民主勢力政党を排除

政党についての規定では「存在が認められない」政党の規定があり、そこには「外国の政府、組織、個人から直接的または間接的に金銭的もしくは物質的支援を受けた場合」は政党として認められないとしています。「外国の個人」から「間接的に」物質的支援を受けるとは?(最もこのような恩恵を受けているのは軍事独裁者達で、彼らは大いに私腹を肥やしていますが、これは不問に付されます)これは明らかに民主化勢力のことを示しています。草案には、NLDなどの民主勢力を非合法化する意図が露骨に示されています。

以上のように、今回の新憲法草案は全く軍事独裁者のためのもので、軍事独裁体制を強化し、国民民主連盟などの勢力を根絶する意図に満ちたものです。

NLD(国民民主連盟)は、この「新憲法」の承認投票で反対票を投じるように呼びかけています(投票の棄権は「反国家的行為」とされ、逮捕される恐れがあるので反対票を呼びかけています。そもそも、今回の承認選挙が自由・公平に行われるという保障などありませんが、民主化勢力はギリギリの所で抵抗運動を続けているのです。

日本政府は追認
日本政府は、この間、軍事独裁者を支援し続けており、昨年8月以降の僧侶・市民に対する暴力的弾圧と殺戮以降も、結局はODA援助(多くは軍の懐に入る)を継続しています。そして、今回の新憲法草案承認投票についても、その結果を追認する可能性が極めて高いのです。

日本政府には民主化のため、強く働きかけ続ける必要があります。



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