失業率統計、4.5%の実態は。

 マスコミ各社は11月29日に「政府(総務省)の失業率に関する発表」について報じた。

 読売新聞は、以下のように報じている。

 「総務省が29日発表した労働力調査によると、10月の完全失業率(季節調整値)は4・5%で、前月より0・3ポイント悪化した。失業率が前月より悪化したのは3か月ぶり。(中略)完全失業者数は前年同月より7万人少ない304万人だった。総務省は、「失業率の悪化は、景気回復に伴って、労働者がよりよい条件の仕事を探して雇用が一時的に流動化しているためとみられる」としている(以下略)」

 政府による「失業率」の発表には、いつも眉に唾して接しなければならない。裏を読む必要がある。

 完全失業率とは、完全失業者の割合のことだと思うが、そもそも「完全失業者」とは、職を探していて、いつでも働ける状態にある者をさすようである。厳しい雇用情勢に直面して、職探しを見合わせる人や、時々バイトをしているフリーターは含まれないようである。また、仕事のストレスによって病気になってしまい、仕事が出来ない状態の人も含まれそうにない。
 つまり、ハローワークに通って「元気に」職探しをしているような人たちなのである。だから、失業保険の受給期間が終わり、個人的に職探しをしている人については、これが「失業者」としてカウントされているかどうか? おおいに疑問なのである。

 だから、いまの統計の採り方だと、失業率は最悪でも5~6%程度にしかならない。不思議にも、求職難の状態が続けば続くほど、実際の失業者は増えるのに、失業率が下がるということすら起こってくる。

 政府は、常に「景気は回復基調」として、雇用・労働行政の失敗を隠そうとするから、いつも「失業率」についてごまかしのコメントを挟む。今回は「景気回復に伴う、雇用の流動化」!であるという。

 しかし、さらにからくりがある。失業率とは単に「失業しているかどうか」の率でもある。その「失業していない」人の雇用状態は表れない。たとえ短時間のパートでもアルバイトでも就労していれば立派な「非失業者」になる。週一日のパートでも失業者ではない。

 この10数年間、多くの企業で人員削減がなされ、何百万人という社員が職を失い、パートやバイトに置き換えられている。しかし、その「置き換えられ」賃金が数分の1になった労働者達も、同じ「就業者」である。

 現在の失業率4.5%とは、10年前の4.5%とどう違うのか? おなじ「失業率」というとらえ方で、雇用情勢の実態を表せるのか?

 政府発表の「失業率」によっては、実際の雇用情勢、労働者の終業状態が見えなくなっている。
 

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